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店舗・ネットショップ批評

セルフレジって、逆効果じゃないだろうか?

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セミセルフレジ

最近、うちのようなド田舎でも『セルフレジ』が増えてきました。

特に多いのが『セミセルフレジ』

一般的なセルフレジ(フルセルフレジ)は、商品バーコードのスキャン・カゴ詰め・お金の支払い全てを自分で行いますが、セミセルフレジは、商品のバーコードを読み取るのは店員が行い、お金の支払いだけをお客がレジ横に置いてある精算機で行います。

このセルフレジを導入すると、普通のレジに比べて二倍近いスピードで人を捌けるので、お店側には、混雑防止・人件費削除のメリットがあるとの事。

また完璧に思えるフルセルフレジも、実はお客さんがバーコードを読み取る操作で時間を取られることも多く、セルフレジの方が効率的には一番良いとも言われています。

ポイントカードとか割引券なんかで特殊なこともありますしね。

セルフレジでお客側が得られるメリットは、『ゆっくり精算できる』事。

例えば、お金を支払う時、「〇〇〇円です」と店員さんから言われた後、「あー早く出さなきゃ!」と焦ったことはありませんか?

また、たくさんの一円玉も店員さんに気を遣わず、使い切ることができるんです。

はじめてセルフレジを使うときは少し戸惑いましたが、慣れてしまうと普通のレジよりも全然楽ですね。

特に店員さんがお金を受け取ってレジに投入してから、おつりが自動でレジから払いだされるまで待つ時間…

私、あのなんともいえない微妙な時間が凄く苦手でしたから。

セルフレジで困っていたお婆ちゃん

しかし、「セルフレジが嫌いだ」と思う方もいるはずです。

特にお年寄りの方。

先日、スーパーで、私の前に並んでいた80歳ぐらいのお婆ちゃんがセルフレジで支払いをしていたんです。

ところが、おばあちゃんが困った表情で店員さんを呼んでいました。

どうやら、千円を投入したのに認識しないらしいのです。

たまたま店員さんもお金を入れる瞬間を見ていたようで、「あれ?入れてましたよね?」と、困惑していました。

すぐに店員さんがカギを持って来て、精算機の中を開けてみると…

原因発覚!

なんと、そのおばあちゃん。

お札をとんでもない場所に入れていたんです。

セルフレジの隙間に千円札

たしかにお札が入るくらい微妙な隙間が空いていました。

店員さんがその隙間に入った千円札を取り出し、そのお婆ちゃんに渡すと、「ごめんねぇ…」とすごく申し訳なさそう顔をしていました。

私はその様子を見て、なんだか胸が痛くなりました。

私らが思っていたよりも、お年寄りにとって機械の操作は難しいのだ。

もちろん、レジを作ったメーカーも状況は把握していると思うが、ユーザーすべての要望に応えてたらキリがないだろう。

セルフレジを導入しないお店の方が信用できるかも

私はこのお婆ちゃんの今後が気になります。

これからも同じスーパーで買い物するのだろうか?

「あそこは、お金払うのが難しいから行かん!」なんて言い出していないだろうか?

セルフレジ、たしかに便利なのかもしれない。

しかし、それはお店側と”一部”のお客にとってなのだ。

この件で私は、スーパーの「もっと稼ぎたい」という本音が垣間えてしまった気がします。

そして、まだセルフレジを導入しないお店が『遅れてる』とは思わなくなった。

もちろん、予算の関係でセルフレジ化できないお店もあるのだろうが、もしかしたら、お客さんの為を思って”あえて”セルフレジを導入しないお店があるのかもしれない。

そういうお店はきっと、これから先も生き残れるんじゃないだろうか。

特に地方のお年寄りが多い場所では。

セルフレジで売り上げが下がるかも?

以前、『コンテキスト思考』という本に、このスーパーの未来を予測するようなことが書いてあった。

あるコンビニエンスストアで、サラダの売れ行きが悪かった。

そこで、サラダを棚から外して、もっと売れている弁当を並べることに。

すると、弁当類の売り上げは上がったが、お店全体の売り上げは下がってしまったというのだ。

原因を調査したところ、サラダを目にしたユーザーが健康意欲を触発され、実は、サプリメントが大量に売れていたとの事。

結局、サラダを元に戻したことで、サプリメントの売り上げも戻り、お店の売り上げも元通りになった。

つまり、思いもよらぬことが売り上げを下げる原因になる事もあると…

セルフレジを導入すれば、混雑が減るとか人件費が安くなるだとか、そんな簡単な話ではないのかもしれない。

手渡しのやさしさ

セルフレジが導入されることで、クレームも減るだろう。

「おつりを渡すとき投げるように渡す店員がいる」だとか、「レシートの上におつりを乗せて、手が触れないようにされた」だとか。

しかしその反対には、「両手で包み込むように渡してくれる店員がいる」という評価をしてくれるお客もいたはず。

「セルフレジ」という新しいテクノロジーによって、そんな感情を揺さぶられることが少なくなりつつある。

なんだか感情までも簡素化されてしまうこの時代は少し寂しい気もします。

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